【低温調理】で豚ヒレ肉を調理 温度60℃・63℃・66℃で比較
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今回は、豚ヒレを60℃・63℃・66℃の温度で低温調理して比較した結果です。
豚のヒレ肉は、お肉のキメが細かく、柔らかい部位。なのですが、脂肪が少ないので、火の通し方によってはパサパサになりがちです。「パサパサになりがち」な食材は低温調理にとっても向いていますね。
豚肉の他の部位もあれこれ低温調理をしてみて、脂の少ない豚ヒレ肉は、このくらいの温度でこのくらいの時間やれば、美味しいんじゃないかな。という予想を立てて時間と温度を設定しました。安全に食べられて、なるべく水分が抜けないような範囲の中で設定したつもりです。
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この豚ヒレ肉の低温調理には低温調理器のBONIQ(ボニーク)を使っています。
低温調理器って何?ボニークって何?という方は、艸の別ブログで低温調理器BONIQ(ボニーク)を使った感想と口コミ、本当に使えるのかを検証したよ!とを書いているのでのぞいてみてください。
BONIQの低温調理 加熱時間基準表
豚ヒレ肉の低温調理に使った材料
豚ヒレ肉 適量
塩(ゲランドの塩) 1.1%
黒胡椒 適量
バター 少々
マスタードソース 適量
※ここではマスタードソースをかけていますが、お好きなソースで
豚ヒレ肉を低温調理する工程
今回の豚ヒレ肉は、特に銘柄豚などではない国産の豚のヒレ肉を使っています。(後からちょっと気になったことがあったので、国産豚とは別に「やまと豚」という銘柄豚も使いました)
塩はゲランドの塩で、豚ヒレ肉の1.1%です。豚ヒレを1/2本づつ低温調理したので、そのまま食べるにはちょっと薄い塩加減ですが、塩で多くの水分が出てしまわないように、今回はこのパーセントにしました。最後に塩をふって、ソースをかけて食べます。塩加減バッチリしっかりがお好みなら、1.5%くらいまで増やしても大丈夫です。
ゲランドのような自然塩は、伯方の塩や赤穂の塩のような再生自然塩より塩気が柔らかいので、再生自然塩を使うときはやや弱めの塩にします。
さてさて、今回低温調理する豚ヒレ肉です。
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一本はまるまるの豚ヒレなので、半分にして1/2本ずつ温度と時間を変えて低温調理しました。
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ちなみに調理前のヒレ肉の断面はこんな感じです。
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豚ヒレ肉の重さを量って、
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今回はその重さの1.1%の塩を計量します。
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そこに適量の黒胡椒をガリガリして、
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豚ヒレ肉に満遍なくしっかりと全体に振ります。
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塩胡椒をしたら、30分ほど置いて馴染ませます。(夏場は冷蔵庫で)
30分経ったヒレ肉がこちら。
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うっすら水分が出ているので、キッチンペーパーで拭き取ります。
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水分を拭きとった豚ヒレ肉をフリーザーバッグに入れて、水の中に沈めて真空に近い状態にします。
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僕は安いフリーザーバッグを使っているので、念の為、ウェーロックのパッチンでフリーザーバッグの口を止めています。
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気体は液体よりで熱の伝導率が小さいので、ちょっとくらいの空気は残っていても大丈夫ですが、なるべく丁寧に空気を抜いておきます。
こんな感じにキュッとなっていれば大丈夫です。
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真空にパックしたら、BONIQ(低温調理器)で設定した温度で設定した時間、低温調理します。
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低温調理が終わったらヒレ肉を取り出して、キッチンペーパーで周りの水分を拭き取ります。
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フライパンを熱してある程度熱くしたところにバターをひと欠片入れます。
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バターを入れるとジュワーッと勢いよく溶けるけど、バターが焦げてしまわないくらいの温度です。
そこに低温調理した豚ヒレ肉を入れます。火は強火弱くらいです。もちろん温度が低ければガンガン強火です。要は、豚ヒレ肉の表面だけをサッと焼き色を付けて、香ばしく仕上げられればいいのです。
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焦がしちゃいけませんが、かと言って、弱い火で時間をかけては中に火が入ってしまって、せっかくの低温調理が台無しになってしまいます。
バターの色が焦げ茶色になるのはぜんぜん大丈夫です。”バターが真っ黒になって、焦げた匂いがする状態”にならないようにだけ気をつけます。
そんなこと言ってもバターがどれくらいで焦げるかなんて分からないよ!という方は、バターをひとかけら実際に焦がして、バターが焦げるまでの様子を見てみるといいかもしれません。
グルッと一周いい焼色が着いたら、キッチンペーパーに取ります。
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先に焼き色をつけてから低温調理をする方法もあります。その方が冷蔵庫から出したばかりの冷たいお肉を焼くので、中に火が入る心配がありません。ですが、僕的には後焼きの方が、焼いた芳しい香りと、ビシッと表面が熱くなるので断然好みです。60℃台で低温調理したお肉は、生温かい感じで、、、冷まして食べるならいいんですけど。
豚ヒレ肉をカットして器に盛り付けて、お好きなソースを掛けて食べます。今回はマスタードソースにしました。
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完成!
豚ヒレ肉を60℃の温度で2時間の低温調理
まずは60℃で2時間の低温調理した豚ヒレ肉です。
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予想通り、柔らかくてジューシーです。
ピンク色をしていますが、このピンクはミオグロビンというタンパク質の色で、血の色ではありません。ミオグロビンは温度が高くなるにつれ、長く火を入れるにつれ褐色に変化していきます。【低温調理】豚バラ肉を65℃と78℃で2・4・7時間で食べ比べてみたをみると良くわかります。
お肉の中にしっかりと水分が残っていて噛むと出てくる。脂は少ないので、いわゆる”肉汁がじゅわっと”という感じではなく、淡白であっさりなジューシー。油と脂が苦手な僕個人としてはとっても食べやすい。
同じ温度、同じ時間で火入れをした【低温調理】分厚い豚ロース肉のステーキで使ったやまと豚のときには感じなかった、豚臭さを多少感じる。
やまと豚のヒレ肉なら、この豚臭さは感じないのか。部位のせいなのか、豚の質のせいなのか。。。いや、十分美味しいですけどね。
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豚ヒレ肉を63℃の温度で1時間30分の低温調理
次は63℃で1時間30分の低温調理した豚ヒレ肉です。
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温度を上げた分低温調理の時間を30分短くしました。
これも「柔らかくてジューシー」な範囲に十分入る。60℃と比べると、お肉を噛むと締まった感じはするけれど、全く固いといった感じではなく、お肉の繊維を感じる。
温度が高い分、時間が短いので、低温調理のときにフリーザーバッグに出るで出る水分量も60℃の時とほとんど変わらない。ピンク色は温度が高くなった分、やや落ち着いた感じ。
60どの時に感じていた豚臭さは、殆ど感じなくなった。一番最後にちょっとだけふわっと来るくらい。
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豚ヒレ肉を66℃の温度で1時間の低温調理
最後は63℃で1時間30分の低温調理した豚ヒレ肉です。
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「柔らかさ」で言えば、低温調理の温度が上がるほど、お肉が締まっているように感じる。けれど、その分お肉の繊維が解けているような質感になって「固さ」は全く感じない。むしろ歯切れがよい。
一番温度が高かったこの回は、全く豚臭さを感じなかった。ピンクもうっすらくらい。
低温調理をした時に出る水分の量は、これも温度を上げた分、時間を短くしているので、これまでとさほど変わらない感じ。なのだけれど、お肉を切った時にたくさんの水分が出ました。60℃、63℃のときももちろん切った時に水は出たんですが、ここまでではなかったです。写真がないので比べられませんが。
それでも、パサパサ感はない。
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【追記】やまと豚の豚ヒレ肉を60℃の温度で2時間の低温調理
分厚い豚ロースのステーキの時には感じなかった、”豚臭さ”が今回使った国産の豚ヒレでは感じたのが気になったので、豚ロースのステーキのときと同じやまと豚を使って60℃で2時間の低温調理を追加ですることに。
やまと豚の豚ロース。
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丸々一本はちょっと多いので、いいとこだけどんとカットして、残りは他に使うことにしました。
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ジューシーで柔らかい。豚臭さも全く無い。肉質もきめ細やかで、同じ温度で低温調理した普通の国産豚肉と比べて柔らかさが増したようにも感じる。
美味しい豚のヒレ肉なら、個人的には60℃で2時間の低温調理が一番好き。美味しい!
あ、そーそー「国産豚」と表記されているものが豚臭くて、「銘柄豚」が美味しいということではありません。素晴らしく美味しい「国産豚」ももちろんあります。逆に、ただ名前がついているだけで何が特徴なのかさっぱり分からない「銘柄豚」も存在します。経験的に。そもそも、今回使った国産豚もそれほどひどい訳でもありませんし。
でも、これでスッキリしました。美味しい豚を使って低温調理すれば、さらに美味しくなる。
豚ヒレ肉の低温調理 温度と時間の比較まとめ
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今回の豚ヒレ肉の低温調理では、美味しい豚ヒレなら60℃で2時間が、個人的には一番の好みという結果になりました。
さっきも書きましたが、「国産豚」ではダメ、ということではありません。ここのスーパーの豚肉が美味しーのよねーってお肉を使えばそれで美味しくできます。今回はたまたまちょっとイケていない豚さんだったというだけです。
国産豚にしてもやまと豚にしても、60℃で火を入れた豚ヒレ肉はやわらか~い質感で、この状態に火入れをするのは低温調理でないとなかなか難しいと思います。
66℃は、今回の中では一番締まった感じの食感でしたが、あくまでもこの中でなので、もちろん「柔らかい」です。豚臭さもなく食べやすい。
63℃は60℃と66℃のまさに中間といった感じです。
どれが美味しーと言うのは好みもあると思うので、ぜひ、この豚ヒレ肉の低温調理の結果を参考にパサつきやすいお肉を、柔らか〜く仕上げちゃってください。
低温調理器BONIQ(ボニーク)を使った感想と口コミ、本当に使えるのかを検証したよ!
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