鶏もも肉のコンフィ
鶏もも肉のコンフィの作り方です。
 お店で鶏もも肉のソテーを出そうとしたんです。でも鶏もも肉って意外と足が早い(悪くなりやすい)ので、冷蔵庫に抱えられない。かと言って冷凍保存しておいたものを、オーダーが入ってから解凍していたんでは時間がかかりすぎるし、うまく解凍できてなくて、ソテーした鶏もも肉
に生のところが残ったりしたら最悪。
たくさんメニューのある小さなお店でのチキンソテーは、意外とハードルが高いのです。
そこで、コンフィにしちゃえばいいんじゃね?と。チキンソテーに比べて仕込みはちょいと手間がかるけど、その分、オーダーが入ってからラードから掘り起こして、フライパンに乗っけてほうっておけばいいし。
てな感じで鶏もも肉のコンフィをよく作っていました。
誰かと食事しながらやパーティーとかでも、当日はちょい抜けで仕上げができるので、そういった場面でも鶏もも肉のコンフィはおすすめです。
ではでは、皮はパリパリ、身はしっとりの鶏もものコンフィの作り方です。

鶏もも肉のコンフィの材料
鶏もも肉     好きなだけ
ラード      必要な分だけ
塩    鶏もも肉の1.2%
グラニュー糖 鶏もも肉の0.3%
粒マスタード 適量
葉っぱ 好きな葉っぱを好きなだけ
鶏もも肉のコンフィの作り方
チキンソテーにしても鶏のコンフィにしても、鶏肉自体が美味しくないと美味しい仕上がりになりません。ので、美味しい鶏を見つけてください。ものすんごく高価で有名な地鶏である必要はありません。が、自分で食べて美味しいと思える鶏肉を使ってください。
僕は近所の数件のスーパーの中から知床鶏(しれとこどり)って名前の鶏を選びました。
今回はいわゆる鶏のもも肉を使っていますが、鴨のコンフィの時のように骨付きの鶏もも肉でももちろんOKです。
鶏もも肉を簡単に掃除します。そのままでも問題ないのですが、一応お店で出すときには骨が残っていないかをチェックしながら、余計な皮と脂、軟骨を取り除いていました。

軟骨はここの部分です。


皮は火を入れると縮むので切りすぎないように気をつけます。

ひっくり返して、ここの部分の脂をそぎ取ります。これも別に取らなくていいです。僕は脂が苦手なので取ってしまいます。



鶏もも肉を掃除したときにでた、鶏皮や脂、軟骨などは鶏のテリーヌを作る時に使えるので冷凍して取っておきます。
掃除した鶏もも肉の重さを計ります。

1730gでした。
ので、塩は1730gの1.2%で20.76g≒21g。
グラニュー糖は1730gの0.3%で5.19g≒5g。
を合わせて計量します。

塩はゲランドの塩を使いました。伯方の塩や赤穂の塩のような再生自然塩でももちろん大丈夫ですが食塩は避けたいところです。塩とグラニュー糖をよく混ぜ合わせて、鶏もも肉一枚ずつ表裏にしっかりと振っていきます。

鶏肉にまんべんなく塩とグラニュー糖が行き渡るように調整しながら振っていきます。すべての塩グラニュー糖を振ったら、ボールなどに上から落としラップをして、冷蔵庫で一晩休ませます。


鶏もも肉をコンフィにする
次の日、鶏もも肉に火を入れていきます。
使うラードはこれです。

これまでラードといえば一斗缶(約18L)かごく少量のものしかネットでは買うことができませんでした。ですが、このハイアントのラード2kgが最近(なのか?)登場したので、鶏もも肉のコンフィを書くことにしました。
ラードをなるべく底の広い鍋に出します。あんまり深い鍋をコンフィに使うと鍋底と上の方で温度が違ってくるので、理想は1段で、せめて2段くらいで鶏肉が並ぶような鍋を使ってください。

火にかけて、ラードを溶かし、

80度くらいまで温度を上げます。網を乗っけて温度計を鍋の真ん中に来るように工夫してみました^_^

コンフィはこの温度管理に全てがかかっていると言っても過言ではありません。
鶏もも肉の場合、鴨もも肉のようにもともと固いわけではないので、固くなる心配はそれほどないのですが、ジューシーに仕上げるために温度管理はしっかりとする必要があります。
一晩寝かせた鶏もも肉の水分をしっかりと拭き取って、


温めたラードの中に入れていきます。

鶏肉を入れて下がった温度をまた80度まで上げていきます。そして、この80度をキープします。

といっても、なかなか80度ビッタしにキープは難しいです。ので75度〜80度の間になるように、極弱火、火を消すなどしながら、温度管理をします。

一段に鶏を並べたなら1時間、2段に並べたなら途中で上下を並べ替えて1時間20分を目安に火を入れます。今回の鍋で鍋底付近が80度のとき、ラードの上の方は70度を切るくらいの温度でした。

竹串を刺して、スッと楽に入れば火が入っています。
鶏もも肉に火が入ったら、バットやタッパーに鶏肉を移します。


鍋に残ったラードを濾します。漉し器(ザルでももちろんOK)にリードペーパーを敷いて濾します。リードがなかったのでサラシで。


漉すときに下の方に沈んでいる鶏のエキス(水分)は別に漉します。

水分を入れないようにラードだけを濾したものがこれ。

これを鶏もも肉の入ったタッパーに注ぎます。


粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかりと固めます。このまま冷蔵庫で1ヶ月くらいは大丈夫です。
残りの鶏エキスのラードも濾します。



これも粗熱が取れたら冷蔵庫に。鶏の旨味が詰まったブルンブルンのゼリーになります。塩分が強いのでのばしてスープに使ったりゼリー寄せの素に使ったりしていました。
鶏もも肉のコンフィの仕上げ
この鶏肉のコンフィは艸のうちのクリスマスディナー用に作ったのですが、1日ひにちを間違えてしまい、火入れをしたその日に焼くことに、、、まあそれでも大丈夫っちゃ大丈夫なんですけど。
火を入れてからしっかり一晩は寝かせたほうが全体がまとまりますし、ラードもしっかりと固まって密閉されます。
さて、しばらく冷蔵庫で冷ましたコンフィです。まだいまいち固まっていません。

ラードの中から取り出した鶏もも肉をテフロンのフライパンに皮目を下にして入れます。しっかり固まった状態だとラードは付いてこないので、ちょっとだけラードもフライパンに入れてあげます。
鴨のコンフィはテフロンでなくても大丈夫なんですが、鶏肉のコンフィの場合はテフロンでないと皮がフライパンにくっついてしまいます。

付け合せはメークイーンです。メークイーンは電子レンジや蒸して先に火を入れて冷ましておいたものです。鶏もも肉のコンフィと一緒にフライパンに入れます。
せっかく低温で火を入れたのですから、ここでもじっくりと火を入れていきます。強めの弱火くらいの火で皮目をパリパリにしていきます。

弱火なので皮がパリパリになるのにちょっと時間がかかります。15分とか20分くらい(火加減によりますが)かかります。
皮がパリパリになったら、ひっくり返して逆面もほんのちょっと焼き色がつくくらい焼きます。

キッチンペーパーに上げて、余計な脂を紙に吸わせたら、盛り付けます。
このときにメークイーンには少しお塩を振っておきます。

お皿にメークイーンと鶏のコンフィをどんと乗せて、サラダと粒マスタードを添えれば完成です!
鶏のコンフィをカットして、サラダと一緒にガサッと盛っても。

鶏のもも肉は、わざわざコンフィにしなくてもソテーするだけでも柔らかくて美味しく食べられる部位ですが、コンフィにするとまた違った美味しさになります。
最初にも書きましたが、一緒に食事をしながらでもフライパンにセットしておけば、弱火にかけておくだけでメイン料理が完成します。ぜひぜひお試しください〜
あ、焼いただけでは固くなっちゃう本当の地鶏は特にコンフィに向いている鶏かもしれませんね。








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