フュメ・ド・ポワソン
フュメ・ド・ポワソンというものがあります。
フランス料理で使う魚のだし汁です。フュメはだし、ポワソンは魚という意味です。日本人にとって魚のだしというのはすごく身近なものですよね。鰹節や炒り子、あご、魚ではありませんが昆布でもだしをとります。
フュメドポワソンは、和食のだしそのものより、潮汁(うしおじる)に近いです。
このフュメドポワソンは、鮮度の良い魚の粗で作れば、それこそ潮汁のように魚のスープとして飲めますし、白ワインソースやアメリケーヌソースなどのソースのベースとしても使います。
フュメには”香り”という意味もあります。香り高い魚のだしがフュメドポワソンです^^
おうちでフュメドポワソンを作る機会はそうないとは思いますが・・・・作り方です。
フュメ・ド・ポワソンの材料
[材料]
白身魚の粗 適量
〔香味野菜〕
ニンニク
玉ねぎ
人参
セロリ
エシャロット
パセリの軸
ポアロー
マッシュルームなどなど 適量
サラダ油 少々
白ワイン 適量
水 適量
ローリエ 1,2枚
タイム 数本
白胡椒 適量
フュメ・ド・ポワソンの作り方
材料が適量ばっかりですね・・・。ですが、艸が作るときに量らないものは、適量としか言いようがないので・・・。
フュメドポワソンは、分量より、新鮮な魚の粗で作るということと、丁寧に漉す事の方がポイントになると思います。
まず魚の粗を適当な大きさに切って流水にさらします。
魚の粗から、血を抜くんです。
水がにごらなくなったら、ザルにあげておきます。
フュメドポワソンの作り方は大きく分けて2つの方法があります。一つは魚の粗とワイン、水を鍋に入れ火にかけるという作り方。もう一つは、魚の粗と香味野菜を良く炒め、そこの白ワインと水を入れるという作り方です。
魚の粗を炒めるかどうかの違いです。
僕はその中間といった感じの作り方をします。魚の粗にサッと火を通して白ワインと水を入れて魚のだしをとります。
香味野菜を薄くスライスします。今回は、ニンニク、玉ねぎ、人参、エシャロット、パセリの軸を使いました。
フュメドポワソンは、火にかけている時間が短いので、香味野菜も短い時間で香りが出るようにスライスしておくんですね。
ニンニクとサラダ油を入れ弱火にかけて、ニンニクがきつね色になるまでじっくり炒めます。
ここに香味野菜を加え、しんなりするまで炒めます。
炒めたら、魚の粗を加えます。
魚の粗を加えたら、中火で魚の粗を炒めていくのですが、このとき木ベラなどを使わず、鍋を返すようにして、なるべく魚の粗が崩れないように炒めます。
魚の粗の全体が白っぽくなって火が入ったら、白ワインをいれます。
続けて、水をかぶるくらい入れます。
暫く火にかけているとだんだんアクがでてきます。
アクを丁寧にすくいながら、沸かしていきます。
沸いてきたら、火を弱くし、全体がゆっくり対流するくらいの火加減にします。
ローリエ、タイム、白胡椒を加え、静かに30分ほど煮出します。
途中、アクをすくいながら30分ほどに出したら、火を止め漉していきます。
僕はガーゼを2重にしたもので漉しますが、キッチンペーパーや晒しなどでもいいと思います。
なるべくだし汁を騒がせないように、そうっと漉します。
最後のほうは、鍋を傾けるなどして丁寧にすくって漉します。
丁寧に漉すと
半透明のフュメドポワソンができます。
これをもう一度火にかけ、アクと油を取り除いて完成です!
フュメドポワソンは、魚貝系の旨みがほしいときなどにちょっと足したり、最初にも書きましたが、ソースのベースにしたり、スープのベースにしたりと、結構幅広く使われます。フランス料理では欠かせないだしの一つなんです^^
【追記です】
「フュメドポアソンはどのくらいもちますか?」という質問をずいぶん前に頂いておりました。遅くなりましたがその回答です。
フュメドポアソン自体をスープに仕立てていくのであれば、3日くらいで使い切るのがいいと思います。ソースのベースとしたり、味の補強ということに使うのであえば1週間が限度だと思います。
その時に使う予定が無い、もしくは余ってしまったときには、小分けして冷凍しておけばいつでも使う事ができます。
もちろん、フュメドポアソンを作ってすぐのものと、冷凍したものを解凍したのでは、やはり”香り、風味”は違ってしまいます。
一般的には、フュメドポアソンは「その日のうちに使い切る」とか「一両日中に使い切る」と本などには書かれています。まあ、もちろんその方がよいと思いますし、フュメドポアソンの”とてもいい状態”は実際にはそのくらいの期間なのかもしれません。
でも、”悪くなる”ということでいえば保存の状態や、扱いにもよりますが、1週間くらい大丈夫だと思います。
賞味期限、消費期限というものが存在します。もちろん僕のような料理の仕事をしている者はそれを守らなければいけないのですが、野菜や、魚、自分で作った料理やソースなどにはそういった明確な期限というものがありません。
その期限は、自分の目と鼻と舌で確かめるしかないんですね~^-^
追記でした。。
ディスカッション
コメント一覧
今日もこんにちは~^^
すごい!!
やっぱり丁寧にだしをとると美味しそうな料理が作れそうですね。これぞプロの料理って感じです。
ちなみに、だしに使った魚・野菜類は何かに再び使ったりするものなんでしょうか?(素朴な疑問です・・)
rintaro_mammyさん、こんにちは!
こういっただしをとるという作業は、お店っぽいですよね^^
だしをとった魚や野菜類は捨てちゃいます。もちろん食べられないことはないのですが、旨みがみんな出しに出ちゃっているのでそれ自体はほとんど味がしないんですね~。
コメントありがとうございます!
souさん、こんにちは!
なるほど、全部味が外へ出てしまって捨てるものなんですね~。
何かに再利用できたりするのかなと思って・・・主婦的発想でした(笑)
ご返信ありがとうございます。
rintaro_mammy さん、こんにちは!
こういったものを再利用する料理人もいるみたいです^^フォンドボーを作ったときに出る仔牛のスジ肉に更に材料を加えてテリーヌにしたり・・・。
う~ん、すごいな~と思います。煮込んだものの骨とスジ肉を分けるだけでも大変な作業ですからね^^
こんばんわ。
昨日のランチにおじゃましました!
実家に帰ると連れて行ってもらうのですが
やっぱり美味しい^^前菜もどれも美味しかったし
ガーリックトーストも最高!!
ピクルスもスープもいろいろと…レシピ見ながら挑戦してみたいと思います。でもやっぱりお店の雰囲気、うつわが素敵すぎます~!!!
またいきます!!今回は子連れでうるさくてスイマセンでした。とっても美味しかったです
madogeneさん、こんにちは!
実家に帰られたときにいらしてくださっていたんですね。オープン以来、いつもSOUをご利用頂き、ありがとうございます!
是非、色々作ってみてください^^
またのお越しをお待ちしておりますm(_ _)m
コメントありがとうございました。
本日、ピクルスのレシピを見ながら初ピクルスに挑戦させていただきました。わかりやすくて助かりました( ´艸`)
明日は焦がし玉ねぎのタルトに挑戦しようと思います。パン粉が台になるなんて!!と発見もいただけて此処を覗くのが楽しみとなりました(´∀`)
また、お邪魔させてくださいo(^▽^)o
chi-chiさん、こんにちは。
艸のブログを参考に作ってくださりありがとうございます。
ピクルス、焦がし玉ねぎのタルトは美味しく出来ましたでしょーか?^_^
はい、是非またお邪魔してください〜
コメントありがとうございます。