【低温調理】鶏もも肉のコンフィの作り方 65℃と78℃で食べ比べてみた
低温調理で鶏もも肉をコンフィにします。
コンフィと言えばラードを80℃でキープして、2時間くらい火を入れるという作り方で、このサイトでも鴨のコンフィや鶏もも肉のコンフィの作り方をすでに書いています。
家庭でもお手軽に使える低温調理器が出てきたことで、大変だった温度管理が超お手軽になり、色んな人が低温調理器を使っていろんな温度で鶏もも肉のコンフィを作っているのを見かけるようになりました。
だもんで、低温調理器を使って超低温65℃といつものコンフィの温度78℃で鶏もものコンフィを作って食べ比べてみることにしました。
あ、そもそも鶏のもも肉は焼いて食べるだけでも柔らかくて美味しいので、そこが鴨のもも肉とは大きく違います。鴨のもも肉はただ焼いただけでは、硬くて食べられないのでコンフィにするのです。
ここでは低温調理に低温調理器BONIQ(ボニーク)を使っていますが、低温調理器がなくても温度計でお湯の温度を管理すれば同じように作れます。
【公式サイト】低温調理器BONIQ(ボニーク)
BONIQの低温調理 加熱時間基準表
低温調理って何?という方は低温調理器BONIQ(ボニーク)を使った感想と口コミ、本当に使えるのかを検証したよ! を参考にしてみてくださいね。
なぜに65℃と78℃なのかという話
ここで鶏もも肉のコンフィを作る温度をどうして65℃と78℃にして比べてみるのかという話をなるべく簡単に。作り方だけでええんや!という人は飛ばしてください。
お肉には「コラーゲン」というのと「アクチン」というタンパク質が含まれています。他にもタンパク質はありますが今回はこの2つに注目して温度を決めました。
コラーゲンは堅い繊維状のタンパク質で主に骨とか軟骨、腱、皮とかに含まれます。このコラーゲンは75℃以上になると、柔らかくなってゼラチンになります。もっと低温でもゼラチン化しますが、その分時間が長くかかるみたいです。
もう一つのアクチンは、水分をたっぷりと含んでいるタンパク質で、66℃を超えると縮まって持っている水分が出てしまいます。つまりお肉に66℃以上で長く火を入れると、だんだんジューシーではなくなってしまうことになります。
そんなわけで、
■78℃ コラーゲンを柔らかくする温度。その代わりそれなりの水分がでてしまう温度。
■65℃ アクチンを変化させずに水分を保つ温度。その代わりコラーゲンは柔らかくならない温度。
で比べてみることにしました。
【低温調理】鶏もも肉のコンフィの材料
[骨付き鶏もも肉一本分の材料]
骨付き鶏もも肉 1本
塩(ゲランドの塩) 鶏肉の1.2%
グラニュー糖 鶏肉の0.3%
白胡椒 適量
オリーブオイル 30cc
にんにく 1かけ
ローリエ 1枚
【低温調理】鶏もも肉のコンフィの作り方
今回使ったのは知床鶏という鶏さんの骨付きモモ肉です。低温調理を色々やってみて、”美味しいお肉を使うと美味しくできる”というこのブログで再三言っている当たり前のことが低温調理にも当てはまるってことに最近気が付きました。
それなりのお肉を使うとそれなりに、美味しいお肉を使うと美味しく、まさにフジカラー写ルンですなのです。低温調理をしたからといって、お肉のレベルが上がるわけではないのです。
というわけで、知床鶏のもも肉の重さを量ります。
お肉の重さの1.2%の塩を量ります。ゲランドの塩のような自然塩と赤穂の塩とか伯方の塩といった再生自然塩は思っている以上にしょっぱさが違うってことに、これも最近気が付きました。ゲランドの塩(自然塩)ではない塩を使う時には、ちょっと減らしたほうがいいかも。
さてさて、今回は温度違いで食べ比べるんで2本やっています。材料のところに書いてあるのは1本分の材料です。といってもパーセントとかだからあんまり関係ないんですけどね。
鶏さんの重さが997gで、ほぼほぼ1000gなので、ゲランドの塩が12g(1.2%)でグラニュー糖が3g(0.3%)量りました。
そこに白胡椒を適当にガリガリガリ好みで入れます。
それらをよく混ぜ合わせて、鶏もも肉2本に表裏に満遍なく、均等に振って、よくすり込みます。
この状態で、ラップをして冷蔵庫で一晩休ませます。
一晩たった鶏もも肉から出た水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
フリーザーパックに水分を拭き取った鶏ももとにんにくひとかけ分のスライス、ローリエ一枚をちぎったのとオリーブオイル30cc(大さじ2)を入れて、(今回はラードを使わず)
水の中につけて水圧で真空にします。
いつもは安いフリーザーバッグを使うんですけど、温度が78℃と今回は高いので、ちゃんと耐熱温度表記のあるジップロックにしました。(安いフリーザーバッグで80℃の低温調理したらお湯がいっぱい入ったので^^;)
しっかり真空状態にしたら、低温調理にかけます。今回は、65℃と78℃の温度で、それぞれ3時間かけました。
3時間低温調理した鶏ももです。ここで65℃と78℃の違いが出ているんですけど、違いは最後の比較のとところで。
鶏もも肉を取り出したら、キッチンペーパーで表面の水分をよく拭き取ります。
フリーザーバッグの中の液体を小さなココットなどに出します。
で、その上澄みのオリーブオイルを使って鶏もも肉の表面を焼きます。
経験的に鶏もも肉のときはテフロンのフライパンで焼いたほうがくっつかなくていいと思います。(鴨は鉄のフライパンでも大丈夫)
テフロンのフライパンにココットからオリーブオイルをすくい入れ、そこに皮目を下にして鶏もも肉を入れて、火を着けます。
フライパンが温まってきて、パチパチ脂のはぜる音がしてきたら、火を弱火に落とします。そこから5分(火加減によるのであくまで目安です)弱火で皮目をパリッと焼きます。
5分経ったら、ひっくり返して逆面を1分ほど焼いたら、キッチンペーパーで余計な油を落としたら、完成!
今回は温度比較なので、付け合せは作りませんでしたが、サラダや、鶏もも肉のコンフィの時のようにじゃがいもとか、その時の気分で添えても。
【低温調理】鶏もも肉のコンフィ65℃と78℃の食べ比べ
さてさて、いつもなら完成!でおしまいなのですが、今回は食べ比べがあります。
【低温調理】鶏もも肉のコンフィ65℃と78℃の見た目の違い
と言っても皮面をパリッと焼いた状態での違いはあんまりありませんでした。が、低温調理をした直後の状態はちょっと違っていました。
65℃で3時間の鶏もも肉のコンフィ
78℃で3時間の鶏もも肉のコンフィ
78℃の方はちゃんとアクチンが変性して、水分がけっこう出ています。それに対して65度の方は、あまり水分が出ていません。
【低温調理】鶏もも肉のコンフィ65℃と78℃のお肉の違い食べた感じの違い
65℃で3時間の鶏もも肉のコンフィ
写真からもみずみずしさが伝わるかと思いますが、肉汁がたっぷりといった感じです。食べた感じもふわっとジュージーで柔らかい。コンフィというよりは、ローストチキンのような感じ。
78℃で3時間の鶏もも肉のコンフィ
決してパサパサではありませんが65℃と比べると水分が出てしまっています。65度と比べてお肉の繊維がホロホロとほどけているのが写真でも分かります。食べた感じは65℃と比べるとジューシーさはなく、お肉がホロホロとしていて身の感じはコンフィっぽい。
【低温調理】鶏もも肉のコンフィ65℃と78℃の骨からの身離れの違い
65℃で3時間の鶏もも肉のコンフィ
78℃で3時間の鶏もも肉のコンフィ
食事用のナイフとフォークで、ササッと切り分けたときの骨に残るお肉の感じです。78℃の方は、骨周りのコラーゲンがゼラチン化したのか、骨からキレイにお肉が外れました。
65℃の方は、骨の周りにお肉がどうしても残ってしまいます。まあ、かぶりついて食べればいいんですけど。
といった、感じにキレイに予想通りの結果になりました。
【低温調理】鶏もも肉のコンフィ65℃と78℃どっちが美味しかったの?
で、どっちが美味しかったの?というと、65℃の低温調理のほうが、美味しかった(家族3人の意見)です。
ただ、コンフィなのか?というと微妙です。78℃の方がホロホロのお肉の感じとかコンフィ感はあるんです。
でも、コンフィとか関係なく「ただ鶏もも肉を美味しく食べる」なら65℃で低温調理するのがおすすめです。
うーん、、、これが鴨のもも肉だったら、また違った結果になっていてのかもしれません。というわけで、鴨もも肉でも低温調理でコンフィをやってみました。
ぜひ低温調理で鶏もも肉のコンフィ?お試しください〜!
低温調理での鶏もも肉のコンフィに使ったのは低温調理器BONIQ(ボニーク)です。
【BONIQ】公式サイトはこちら艸の別ブログに低温調理器BONIQ(ボニーク)を使った感想と口コミ、本当に使えるのかを検証したよ!も書いたので低温調理器ってどうなの?何ができるの?という方は参考にしてみてください。
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