【低温調理】で砂肝を調理 63℃・68℃・78℃銀皮ありなしで比較
低温調理で砂肝を調理した記録です。
砂肝は洋食では、コンフィという調理法でよく調理されます。コンフィは油(オーリブオイルとか)や脂(ラードとか)を使って低温でじっくりと火を入れることで、ただ焼くだけでは固くなる食材を柔らかく仕上げる調理法です。
そのコンフィを低温調理器を使って、63℃・68℃・78℃でそれぞれ2時間と4時間、銀皮ありと銀皮なしで比較してみました。
コンフィって80℃前後の温度で火を入れるのが普通だと思っていたのですが、低温調理を使った鶏のコンフィとか、鴨のコンフィとかのときもそーだったけど、今回も低い温度で火を入れた砂肝のほうが美味しかったなー。ってゆーか、80℃近い温度の78℃の砂肝のコンフィは全然ダメダメでした。。。(追加でやった78℃で時間を短くした方はまだマシだった)
仕事では、鶏より一回り大きな鴨の砂肝を使うことが多かったけれど、ここでは手に入れやすい鶏の砂肝を使っています。
低温調理の前には低温調理を始める前に安全性とリスクを理解しておくにも目を通していただけると嬉しいです。
砂肝の低温調理には、BONIQ(ボニーク)を使っています。そんで艸の別ブログに低温調理器BONIQ(ボニーク)を使った感想と口コミ、本当に使えるのかを検証したよ!を書いています。
【BONIQ】公式サイトはこちらBONIQの低温調理 加熱時間基準表
低温調理で砂肝を調理してて、おすすめの温度と時間
今回は、63℃・68℃・78℃でそれぞれ2時間と4時間、銀皮ありと銀皮なしで比較したので、12個の結果があり、とっても煩雑でめんどくさいことになってしまいました。
そんなわけで、丁度いい温度と時間だけ先に書いちゃいます。まあ、あくまでも僕の好みということになるんですけど。参考にしてみてください。
銀皮の処理をした砂肝の低温調理の比較
それぞれの食感などの感想は、それぞれの結果のところを見てもらうとして、砂肝の銀皮を剥ぐ下処理をした場合のおすすめ温度と時間は、
■63℃ 2時間
■63℃ 4時間
■68℃ 2時間
です。
銀皮がやはり硬いので、それを取り除いた砂肝は、低い温度でも、コリコリ美味しく食べられました。温度が低く、時間が短いほど食感がコリコリで、旨味も多く残っていました。この中では63℃の2時間が一番コリコリしています。時間を長くする、温度を上げるとやや噛み切りやすくなっていきます。
68℃の4時間も美味しく食べられるんですけど、68℃の2時間とあまり大きくは変わらないので時間を長くする必要がないのかなーと。78℃は、、、食感も味も良くなかった。
銀を残した砂肝の低温調理の比較
銀皮の処理って結構めんどくさい。ので、銀皮付けたまま低温調理して美味しく食べられれば、その方が楽だし、見た目も大きいままだしいいんじゃないかと思って銀皮を残したまま低温調理をしてみました。
銀皮ありにおすすめの低温調理の温度は、
■68℃ 4時間
です。
やはり低い温度や短い時間では銀皮の固いところは、どうしても残ってしまいます。68℃の4時間では、銀皮の部分がコリコリとした食感になって「固い」という感じではなくなりました。
63℃の2時間や4時間、68℃の2時間でも、低温調理後に両サイドの銀皮の一番硬いところだけ切り落として、スライスすれば問題なく食べられます。
あくまで銀皮が固くなく美味しく食べられる温度と時間が、68℃で4時間ということです。
低温調理で砂肝を調理する工程
低温調理で砂肝を調理する工程です。まずは砂肝の下処理をしていきます。
砂肝には銀皮と呼ばれる硬い部分があリます。
この銀皮を削いだ砂肝と銀皮を付けたままの砂肝のどちらも使って、温度や時間によって固くなくなるかどうかを見ていきます。
砂肝の下処理
砂肝を買ってくると、だいたいこんな感じにふたコブになっています。
真ん中と左右についている白っぽいのが銀皮です。
銀皮を付けたままの方は、ただこのコブを切り離すだけです。こんな感じに。
銀皮を処理する方は、反対にひっくり返して裏から銀皮をはぎます。
こんな感じに包丁を、銀皮の上を滑らせるようにして剥ぎます。
反対側の銀皮も同じように裏から包丁を当てて削ぎます。
砂肝のお尻?のところにもちょこっと銀皮が残っているので、そこを切ります。
こんな状態になったら、砂肝の下処理完成です。
もう片方の砂肝も同じようにして銀皮を剥ぎます。
全部銀皮を剥ぎます。
剥いだ銀皮は、焼き鳥屋さんなどでは串に打って銀皮串として売られているので、串に挿して塩をして焼くとコリコリとしたおつまみになります。
砂肝を低温調理する
銀皮あり、銀皮なしそれぞれの重さを量って、その2%の塩と黒胡椒を適量振ります。2%の塩は、砂肝をそのまま食べて美味しい塩加減です。低温調理をしたあとどのようにして食べるかによってこの塩加減は調整してください。
半日ほど冷蔵庫でしっかりと塩を砂肝になじませます。半日ほど置いておくと砂肝から水分がいるので、キッチンペーパーで拭き取ります。
余計な水分を拭き取ったらフリーザーバッグにスライスしたニンニクとオリーブオイルを少々入れて真空にします。
真空はボールなどに溜めた水の中に浸けて水圧で空気を抜くようにします。僕は安いフリーザーバッグを使っているので、途中で水が入らないようにウェーロックというパッチンでフリーザーバッグの口を留めて低温調理しています。
設定した温度で設定した時間、低温調理をします。
低温調理が終わったら、氷水でしっかりと中まで冷まします。
しっかり冷ました状態の砂肝を切って食べ比べています。
低温調理で銀皮なしの砂肝を調理
まずは銀皮を下処理して取り除いた砂肝の低温調理から。銀皮を外すのは結構な作業(量が多いと特に)ですが、銀皮を取り除いた砂肝は低温の短時間でもコリコリとした砂肝らしい食感で美味しく食べられます。
銀皮なしの砂肝 63℃
銀皮なしの砂肝 63℃で2時間
今回の検証の中では一番温度が低くて、時間も短い63℃で2時間。きれいなピンク色。銀皮なしだと、硬い部分はなく、コリコリとした砂肝らしい食感で美味しい。人によっては「やや固い」と言うかもしれないけれど、一番旨味も残っているので、スライスして和え物にしたりサラダと一緒に食べれば固さは気にならなくなるかと。
銀皮なしの砂肝 63℃で4時間
上の同じ温度の2時間のものより、ほんの少し食感が柔らかく(嚙み切りやすく)なっている。コリコリはもちろんコリコリだけど、2時間のものよりサクッと歯が入る感じ。
銀皮なしの砂肝 68℃
銀皮なしの砂肝 68℃で2時間
63℃の2時間と比べると明らかにサクッと歯切れがいい。砂肝らしいコリコリもやや残しつつ、サクサクとした食感。旨味も十分。
銀皮なしの砂肝 68℃で4時間
68℃の2時間と比べると、、、、やや噛み切れやすさが増しているような気はする。が、そこまで大きくは変わらないかなー。食べやすくて美味しいけどね。
銀皮なしの砂肝 78℃
銀皮なしの砂肝 78℃で2時間
固くはないけれど、肉質が締まった感じで旨味も抜けている感じがする。ゴリゴリとザクザクの間の食感。縮んじゃっているし、68℃の方が全然美味しい。色も良くない。
銀皮なしの砂肝 78℃で4時間
もう砂肝のような食感ではなくなっている。味のないハム?のような食感。かなり縮んじゃっているし、旨味がない。美味しくない。真ん中がグレーっぽくなっている。
低温調理で銀皮ありの砂肝を調理
今度は銀皮を付けたままの砂肝を低温調理します。銀皮をはぐ作業をしないで固くなく、美味しく砂肝を食べられたらいいですよね。
銀皮ありの砂肝 63℃
銀皮ありの砂肝 63℃で2時間
銀皮が固い。最終的に噛み切れないことはないけど、人に食べさせたら「固いね」って絶対言われるレベルで固い。一番固い銀側の両端を切り落として、スライスすれば美味しく食べられる。
銀皮ありの砂肝 63℃で4時間
63℃2時間のものとはぜんぜん違う!かなり銀皮の部分が固くなくなっていて食べやすくなっている。最後のちょっと残る感じはするけれど、2時間との差は明らか。このくらいならお客さんにも出せるかなー。
銀皮ありの砂肝 68℃
銀皮ありの砂肝 68℃で2時間
銀皮が固い。銀皮の部分だけで言えば、63℃で2時間のものとさほど変わらないなー。これもこのままだとしんどいので、銀皮の特に固い両端を切り落としてスライスして食べるなら、美味しく食べられる。
銀皮ありの砂肝 68℃で4時間
「銀皮あり」ならこれが一番いい!銀皮の一番固いところがコリコリくらいの食感になっていて、「固い」とは感じないくらいになっていて、噛み切りやすい。銀皮ありの方が、旨味も抜けづらいみたいで、しっかりと味もする。銀皮を剥がない分、量も取れるし。
銀皮ありの砂肝 78℃
銀皮ありの砂肝 78℃で2時間
銀皮がコリコリくらいの食感になっていて食べやすくはなっている。けれど、同じ銀皮ありで68℃の4時間と比べると、旨味が少なくなっている。時間があるなら、68℃で4時間かけて低温調理したい。美味しくないわけではないので、時間がないときには有効かも。
銀皮ありの砂肝 78℃で4時間
銀皮の固さがほぼほぼ気にならないくらい一番固くなくなっている。「78℃で4時間の銀皮なし」よりは美味しいけれど、やっぱり78度は味抜けすぎ、温度高過ぎ。
【追記】砂肝銀皮ありとなしを78℃で30分と1時間低温調理
78℃で低温調理した砂肝がダメダメだったのですが、あれ?ちょっと待てよ、もともと砂肝のコンフィって30分とか40分とかで火を入れてた!78℃だと2時間とか4時間とか時間が長過ぎるんじゃね?
ということで、追加で78℃で30分と1時間それぞれの時間を銀皮ありとなしで低温調理してみました。
銀皮なしの砂肝 78℃
銀皮なしの砂肝 78℃で30分
シャキシャキコリコリがしっかりしているけれど、固くはない。スライスすればなお食べやすいかも。30分でもすでに周りの色が悪い。
銀皮なしの砂肝 78℃で1時間
78℃30分と比べると嚙み切りやすく、美味しく食べられる。カットした中の色のことを考えなければ、これでもいいかも。
銀皮ありの砂肝 78℃
銀皮ありの砂肝 78℃で30分
銀皮部分がゴリッゴリゴリみたいな食感で固い。噛み切れないくらい固いものもある。これは無理。
銀皮ありの砂肝 78℃で1時間
銀皮がコリコリと噛み切れるくらいにはなっていて美味しく食べられる。これも切った時の中の色を基にしなければこれもOK。
【追記】でやった78℃の30分と1時間は、切った時の中の色はあまり良いとは言えないけれど、時間のない時には78℃で短時間低温調理をすればして食べられる。
少なくとも78℃で2時間とか4時間低温調理したものよりは、旨味が残っていて美味しく食べられた。
砂肝の低温調理のまとめ
銀皮を取り除いたほうが、正直食べやすいは食べやすいと思いますが、銀皮付きでも68℃で4時間なら銀皮のコリコリも含めて美味しく食べられました。
銀皮を取り除いた場合は、コリコリ食感なら63℃で2時間。サクサク食感なら63℃で4時間、もしくは68℃で2時間。
砂肝の低温調理では、温度と時間でかなり大きく食感が変わる結果となりました。砂肝の旨味は、温度が低く、時間が短いほど残っている感じでした。同じ温度、同じ時間なら銀皮が付いている方が旨味も残るみたい。
今回は、63℃・68℃・78℃で検証しましたが、ぜひ自分好みの温度と時間を探る参考にしてください〜!
この鶏の砂肝の低温調理には、低温調理器BONIQ(ボニーク)を使っています。
【BONIQ】公式サイトはこちら
ディスカッション
コメント一覧
初めまして、こんにちは。
最近低温調理器具を買いました。
いつも参考にさせて頂いてます。温度と時間の検証がとても分かりやすいです!
これからも美味しそうなレシピを、楽しみにしております。
お身体ご自愛ください。
川田幸治さん、こんにちは。はじめまして。
おお〜!低温調理器を買われたのですねー!
ぜひ、低温調理楽しんでください〜!
>いつも参考にさせて頂いてます。温度と時間の検証がとても分かりやすいです!
ありがとうございます〜!頑張って、ちょいちょい書いていきます〜ヽ(^。^)ノ
はじめまして夜分にこんばんは。
Boniqを購入、はじめての調理が恒例の鶏むね、そして砂肝になるのでこちらへ訪れました。
銀皮の有無で温度、調理時間はどうすべきなのか…
まさにドンピシャの検証。
大変参考になりました。素晴らしいです!
ありがとうございます!
他のポストも拝見させていただきますー
瀧川さん、こんにちは。はじめまして。
砂肝の低温調理の記事をご覧いただき、ありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです〜!
こちらこそ、ありがとうございますm(_ _)m
コメントありがとうございます。